地震雲の目撃情報が集まる掲示板

「雲をつかむような」という日本語表現があるが、地震雲を取り巻く状況もまさにこれだ

そこに２つの大きな問題があることを知っておく必要がある

ひとつは「地震雲でない雲に対する知識不足」だ

気象庁が公開している「気象観測の手引き」というパンフレット
https://goo.gl/BX6Rgz
のP50〜57には、雲の観察方法の基本が紹介されている

また雲の図鑑は、多くの種類が出版されている
https://goo.gl/Y5gIFc

つまり地震雲でない雲については、すでに

・多くのことが解明済
・不気味なものから珍しいものまで、多種多様な形状が分類済

であるにもかかわらず、不思議なことに

・地震雲の提唱者
・その伝承者
・それを吹き込まれた者

三者いずれも、上で紹介した「雲の観察方法」「雲の分類」に対する知識が全くないという共通点があることにオレは強い関心を抱いている

本人が自分自身の知識不足に気付いて、そこを正しく埋めなければ、と自覚しない限り「特徴的な形状の雲」を見るたびに、それが既に雲の図鑑に収録済であることも知らず「地震雲かも？」と見立ててしまう問題が永遠に繰り返されるのは当然といえる

また「・・・という状況から飛行機雲でない」と見立てた理由が添えられていることが多いが、その理由の大半は飛行機雲に関する誤った知識に基づいているため、飛行機雲の可能性を否定する材料には使えない

もうひとつは「誤った傾向分析」だ

過去、大地震の発生前に「何らかの特徴のある形の雲」が目撃された事例があった場合、その真相は

・地震とその雲に関連があった
・地震とその雲に関連はないがタイミングが重なっただけ

のいずれかだが「印象的なケースだけ記憶に残る」という心理特性のフィルタの作用によって、知らないうちに後者を軽視して前者を重視してしまう、というのが一般的な捉え方だろう

これは日常生活の中でも「ジンクス」「思い込み」としてお馴染みの通り、実際の傾向を示すものではない

つまり「心理特性」のフィルタ除去が地震雲解明へのポイントとなる

例えば、ある雲の発生頻度に注目し、きちんと記録した結果を比較して
（大地震の発生前の発生頻度）＞（それ以外の期間の発生頻度）
という関係が見られて初めて、地震との関係あり、といえることになるだろう

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最悪のシナリオだと「自然現象」でなく「心理現象」でしかなかった、というオチで幕引きとなる可能性すら排除できない現況を打破できるかどうかは、地震雲に関心を持つ者の中に、より正しい知識でしっかり考える者が将来どれだけ増えるか、にかかっている